ワランティソリューションズ
キーマンインタビューシリーズ 第2回/全4回
インタビュー

『圧倒的なスピード』はいかにして生み出されるのか―独自CRMと専任チームが実現する卓越した顧客体験

「保証サービスの対応が遅いことで、自社の評価が下がってしまう」。
こうした課題は多くの企業にとって深刻な悩みとなっています。ワランティソリューションズは、この問題をどのように解決しているのでしょうか。

その答えは、独自開発のCRM(顧客管理システム)と、その運用を担う専門チームにあります。
当社が構築した仕組みは、単なる業務効率化の枠を超え、『圧倒的なスピード』で顧客体験そのものを向上させています。本記事では、開発担当の髙橋崇氏へのインタビューおよび初公開となる業務フロー図を基に、その詳細を紐解いてまいります。

最終更新日:2025.11.18
<p>ワランティソリューションズ株式会社<br>
開発責任者 髙橋 崇氏</p>

ワランティソリューションズ株式会社
開発責任者 髙橋 崇氏

1. 私たちが目指すのは「プロセスの高速化」ではなく、「お客様の不安を解消すること」

前掲の記事「延長保証の「不公正」をKPIによって「公正」に再設計する。〜応答率98%・6秒で体現される、ワランティソリューションズの事業哲学〜」でも明らかになりましたが、当社の「圧倒的なスピード」の根底には明確な哲学があります。開発責任者の髙橋が、その理念を持ってどのようにスピードを追求しているのか伺いました。

—— なぜ、それほどまでに「スピード」にこだわるのでしょうか?

システム開発担当 髙橋崇氏

髙橋氏(以下、髙橋) 最大の理由は、お客様が製品を使用できない期間――「不安な時間」を一瞬でも短縮したいという思いからです。延長保証サービスは、利用者にとって具体的なイメージを持ちにくい分野であり、故障時の対応が遅れると「加入の意味がなかった」と感じてしまう場合も少なくありません。

しかし、私たちが目指すものは、単なる処理の早期化ではありません。壊れた際に感じるお客様の不安や失望を、いかにして安心へと転換できるかが本質です。「ワランティの保証を選んで本当によかった」と実感していただける顧客体験の提供こそが、私たちの目標です。このためには、お客様が困っている時間を最小限にすることが不可欠であると考えています。

実際、私たちは業界他社と比較して、修理対応において約5日間の短縮を実現しています。これは、一般的な修理サービスで発生しがちな外部委託先への輸送や情報伝達にかかる時間を、当社の一気通貫体制によってゼロにしていることで可能にしています。この日数の差は、単なる利便性の向上にとどまらず、「いつ修理が完了するのか分からない」という心理的負担も早期に解消できる点で、非常に大きな価値を持っていると考えてます。

2. 高速オペレーションを支える独自システム

この理念を具現化しているのが、自社開発のCRMおよびオペレーション体制です。今回は特別に、業務フローを図示しながら、その仕組みをご紹介します。

—— このフローにおいて、「圧倒的なスピード」を実現する最も重要なポイントはどこでしょうか。

髙橋 最大の要は「一気通貫」です。多くの企業では修理受付と実作業を別会社へ外部委託していますが、弊社は受付から修理、発送までを一貫して自社で担っています。これにより、他社には不可避な「組織間の情報伝達によるタイムロス」を完全に排除できております。

具体的には、顧客からのお問い合わせを受領した際、特許取得済みのCRMシステムを活用し、顧客情報の検索から修理受付、さらには自社修理拠点への迅速な手配までを自動化。こうしたシステムは業界内でも先駆けて導入してまいりました。

加えて、電話のみならず、WEBフォームやQRコードを利用した非対面型の受付も強化しています。近年は電話対応へのハードルを感じるお客様も多く、最もストレスの少ないコンタクト手段を整備することが重要だと認識しています。

さらに現在、スマートフォン1台で修理受付から全手配まで完結可能なAIアプリの開発を進めており、本年中のリリースを目指しています。ご相談内容は多岐にわたるため、家電・住宅設備に詳しくない方にも安心してご利用いただけるよう、AIに音声認識やQA分岐、専門知識の実装を進めています。

システム開発の様子

—— この仕組みを安定的に運用するために、どのような工夫をされていますか?

髙橋 最も重視しているのは、「属人化の徹底排除」です。

私が入社した当時は、特定の担当者の知識や技能に依存する傾向が顕著であり、それがサービスの安定提供を妨げる要因となっていました。そこで4年前から、誰もがシステムの改修や運用を行える組織体制の構築に注力し、トライ&エラーを迅速に繰り返せる環境を整えてきました。今では、私が現場を離れても通常業務が継続できる基盤が確立されています。セキュアな環境の維持も追求しつつ、全従業員が運用に参画できることが、結果的に従業員の満足度向上にもつながっています。

データ活用の面では、コールセンターのCTIとCRMを連携させ、リアルタイムでの情報共有を実現しました。あわせて、複数システムの同時起動や電話応対不能時の自動フォロー(音声ボット、自動SMS送信等)の導入により、お客様をお待たせしない体制を確立しております。

また、私の前職で培った個人情報保護やセキュリティ運用の知見を活かし、BtoBのお客様にもご安心いただけるよう細心の注意を払って対応しています。セキュリティ面に関しては、いかなる妥協もございません。

3. CS運用の「リアル」――現場プロの視点

卓越したシステムがあっても、運用現場では予期せぬ課題が生じます。今回は現場の観点から、多くの企業が直面しやすい「落とし穴」についても伺いました。

—— 一般的なCS運用における「見落とされがちな本質的な失敗」とは、どのようなものでしょうか。

髙橋 最も多いのが「部署間連携の齟齬」です。受付や技術、管理といった各部門が異なるシステムを用いたり、情報共有の仕組みが統一されていなかったりするため、お客様に同じ説明を繰り返し求めることになりがちで、対応速度も遅くなってしまいます。

次に顕著なのは、「マニュアルの形骸化」です。優れたマニュアルも、実運用において細かい事情には対応しきれず、最終的に現場の判断に頼る部分が増えることで、属人化が進みます。その結果、サービス品質のばらつきや引き継ぎ困難に発展しがちです。

3つ目として「クライアントの本質的なニーズの把握漏れ」があります。特にBtoBtoCモデルにおいては、直接顧客のみならずエンドユーザーの体験にも目を向けねばなりませんが、目の前の取引先の課題対応に注力するあまり、最終的なエンドユーザーの価値体験を見逃すことがあります。

こうした根本要因の多くは、「システムと人」双方の連携が不十分であることに起因しています。どれほど優れたシステムであっても、運用者の意識と目的が一致しなければ、十分な効果は発揮できません。

髙橋氏インタビューの様子

—— そうした「落とし穴」を、システムと人の両面でどのように回避しているのでしょうか。

髙橋 情報共有においては、全ての部門が統一CRMシステムを用いてリアルタイム情報共有を実現しています。受付から修理・発送に至る全工程で常に同一のお客様情報を参照でき、いずれの担当者も経緯を即座に把握可能です。

また、現場の課題や質問はすべてチャット形式で解決しています。従来の「手上げ式」と異なり、全関係者参加型のグループチャットを活用することで、同じ質問の繰り返しや属人化を防止し、ナレッジの自動蓄積を促進しています。

マニュアル運用については、新たな案件発生時ごとに関係者で議論し、運用フローを都度アップデート。システム構築時には、部門特有の知見や視点を重視し、当該分野のリーダーや営業担当の立場を理解した提案を大切にしています。相手の視点に立つことで、柔軟で受容性の高い組織づくりを推進しています。

クライアントニーズの正確な把握については、私自身が現場営業にも同席し、お客様の声を直接伺うよう努めています。たとえば、岡山のクライアントに対しては半年間継続して訪問し、「髙橋くん、面白いね。よろしく頼むよ」との信頼も頂戴しています。これは、エンジニアとしてではなく、お客様目線で行動する姿勢が評価されたものと捉えています。

まとめ:現場が語るCS運用「3つの落とし穴」と回避策

髙橋氏

私たち技術者が常に重視しているのは、「誰のためのシステムなのか」という原点です。自社の効率化だけでなく、クライアントの皆様、さらにはエンドユーザーまで広く視野に収め、全体最適を指向することが欠かせません。

落とし穴1:部署間の情報連携不足
→ 回避策:統一CRMとリアルタイム情報共有、チャット形式での課題解決

落とし穴2:マニュアルの形骸化・属人化
→ 回避策:全工程参加型の議論、恒常的なシステム刷新、属人化排除

落とし穴3:真のニーズ把握の不足
→ 回避策:現場同行による直接ヒアリング、相手視点での運用最適化、エンドユーザーファーストの徹底

これらの対策を通じ、私たちは単なる「速度競争」ではなく、「お客様に安心していただける」システムを追求しています。今後も「ワランティソリューションズなら安心して任せられる」と感じていただけるよう、顧客体験のさらなる向上に尽力してまいります。

延長保証という無形サービスであっても、「加入していて本当に良かった」と心からご納得いただける感動体験を提供すること。それこそが、私たち技術陣とチームが目指している「最高峰の顧客体験」に他なりません。

ワランティソリューションズ株式会社

システム開発担当 髙橋 崇氏インタビュー

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